松任染

松任染とは

石川県白山市(旧松任市)で作られていた藍染。木綿を藍で染めた松任染小紋が有名でした。

松任染の歴史

旧松任市には昔から染物があり、1058年~1064年(康平年間)創始と考えられています。
松任では藍染業者を「こうや」(紺屋)と呼んでいました。当時の紺屋は麻布、紬を染め技術を蓄えてきました。
その技術が多様化したのが1804年~1818年(文化年間)。1804年~1818年に紺屋傳右衛門が松任の河川が染物に適していることを知り、職人を招き藍染が研究されました。
研究の結果、無地染め、小紋染め、模様物、地白染め、綿糸染め等が開発。
特に小紋は「松任小紋染」として有名で、1818年~1831年(文政年間)には染物業者が130戸に上りました。
1830年(文政13年)に銭屋五兵衛は松任の紺屋へ木綿の提供と注文を出しました。銭屋五兵衛は松任染(主に反物)を北海道、東北地方及びロシアへ輸出。その注文は20年間続き松任の染業者は非常に繁盛しました。

参考文献

松任町誌 松任町商工会 1916年(大正5年)10月発行P124~129
松任町史 1941年(昭和16年)4月30日発行P433~436
新松任町史 1958年(昭和33年)11月3日発行P182
松任市史 現代編下巻 1983(昭和58年)3月30日発行P733~738
出版「伝統織物 西谷谷功」1988年(昭和63年)P221
松任市立博物館図録 1988年(昭和63年)
月刊染織α 1994年(平成6年)10月号P42~44
8/21~9/20藍染展 松任染を訪ねて 松任市博物館 1994年(平成6年)